2017/09/10

WebPayments と仮想通貨の関連性について

この記事について

 少し前から仮想通貨に興味があり、界隈の動きが気になっている。

 動機としては、「日本での支払いはクソめんどくさすぎる、何とかしてくれ」という事がある。中国では QR コードでサクッとどこでも支払いができるとか、硬貨で支払いをしようとしたら「硬貨とか紙幣使うなんて恥ずかしいからやめてくれ」と言われた、といった話は聞くが、完全に日本は置いていかれている感がある。日本終わりです、終わり!…一応日本でも Suica で支払いができたりするが、日常で接する全ての店舗でそういった便利な支払いができるかと言うと全くそんな事はない。実際、硬貨や紙幣なしに生活できるかと言ったらできないでしょう。

 リアルワールドでの支払いはそんな感じで絶望的な状況な訳だが、Web での支払いは比較的デジタルで便利だ。とは言え、仮想通貨での支払いはまだまだ整備されていない。WebPayments はここに関係してくるのか?WebPayments とは一体何なのか?という事について、少しだけ調べたので備忘的に書いておこうと思う。

 そして、おそらく色々間違っているところがあると思うので、専門家の人に是非ツッコミを入れて頂きたいと思っている。

結論

 一応、調べた限りの結論を先に書いておこうと思う。結論は、こうだ。

 WebPayments は仮想通貨での支払いに使われる可能性も秘めているが、現状形はなく、将来に期待

 仮想通貨で支払う時には「支払いに同意する」という行為をどうやって実現するかが問題になるが、詳細は後に書く。この結論に至るまでには色々と知識が必要なので、面倒に感じるかもしれないが順を追って書いていく。

WebPayments とは何なのか?

 これがいきなり難しい問いだ。結構浮ついたワードとして出回っていて、実態がよく分からない。個人的な理解としては、こうだ。

 WebPayments とは、Web 上で支払いを行うための、"HTTP 上の仕組み" と "JavaScript 上の仕組み" を総称したものである。

 間違ってるかな?(笑)よく分からないので専門家の方に教えて頂きたいところである。具体的に W3C 上での参照を下に記す。
 具体的な利用例としては、下記の様になるのではないかと思う。
  1. HTTP 上の仕組み
    • サーバーサイドから支払いのリクエスト(ステータスコード 402 のレスポンス)をクライアントに送り、支払いをしてもらう。アプリとの連携などが考えられる(ブラウザが対応するのかはよく分からない)。
  2. JavaScript 上の仕組み
    • ウェブサイト上のスクリプト発端で、支払いを行う。ショッピングサイトでの支払いなどが考えられる。
 どちらにしても、実際の支払いの方法は下記の様なものになるのではないかと思う。
  1. カード情報や発送先などの情報をサーバーに送り、サーバーが別途それを利用し、支払いを行う。支払いをされる側がカード情報を一旦でも保持するのが特徴。
  2. カード情報は送らずに事前にカード会社から取得したトークンと発送先などの情報をサーバーに送り、サーバーは別途トークンをカード会社に送って支払いを行う。支払いをされる側としては、カード情報にタッチしないのが特徴。
 両者の違いが分からない人は、@agektmr さんの Web Payments はなぜ避けて通れないものになるのか - ウェブでの新しいお金の払い方 の記事を読んで理解してもらいたい。

仮想通貨で WebPayments を利用するには?

 さて、もともとの疑問であった「仮想通貨で WebPayments を利用する事はできるのか、できるのならどうやってするのか」という事だが、先ずは「現状は形がない」という認識だ。何故なら、現状の Payment Request API はクレジットカード情報の利用が前提となっているからだ(合ってる?)。

 仮想通貨で支払いをする時に問題になるのが、「どうやって支払いに同意した事にするのか(秘密鍵で署名しなければならない)」という部分だが、現状の仕組みを見ると、Payment App を利用すれば可能性がある様に思う。例えば下記の様な形ではないだろうか。
  • クライアントは、Payment App で仮想通貨のトランザクションに署名した状態でトランザクション情報を返す。それをサーバーに送信し、サーバーは仮想通貨に応じたバリデーションプロセスに乗せる。
  • クライアントは、Payment App で仮想通貨(の秘密鍵)を管理するサーバーにトークンを発行してもらい、そのトークンを被支払い者のサーバーに返す。被支払い者はそのトークンを仮想通貨を管理するサーバーに送って支払いを行う。
    ※情報を秘匿したいというよりも、秘密鍵をクライアントで管理しない可能性があるのではないか、という話
 この様なプロセスが実際可能な仕様になっているのかはいまいち分からなかった。Payment App まわりがどうなっているか、情報が収集できなかったためだ。ごめんなさい。そのうち調べます。

仮想通貨で支払う時の問題

 仮想通貨で支払いを行おうと思った場合、支払いを行う者と支払いを行われる者でメインとしている通貨が違う事が起こり得る。例えば、A さんは BTC で支払いをしたいと思っていて、B ショップはいやいや円が欲しいです、といった場合や、C ショップでは LTC がよいと思っているかもしれない。

 どこかで聞いた事のある様な話だ。まさに ILP と IoV が解決してくれる話だと思う。具体的なフローは疲れてしまったので割愛するが(ぉぃ)、Payment App が ILP に対応したレジャーに対して支払いをさせる様にすれば、可能だと思う。

 次回がもしあれば、そのフローについてもう少し詳細に書いてみたいと思う。

参照

2017/05/08

暗号通貨界隈に最近入ってきた方に言いたいこと

前書き

#暗号通貨界隈に最近入ってきた方に言いたいこと っていうハッシュタグが Twitter で盛り上がっている様なので自分もポエムを書いてみる事にした。ブログにしたのは Twitter に書くには長くなりそうだなと思ったから。

 なお、「俺たちは先にいたんだぞ、お前ら後から来て何も分かってないだろ?え?」みたいな事を言うつもりはないし、そういう慢心スタイルのやつがいそうなのでこのハッシュタグも微妙に気持ちワリィなと思ってはいるんだけど、ポエムの機会としてよさそうなので書いてみる。

 まず前提として、自分の知識レベルを書いておこうと思う。要は素人です。
  • 仮想通貨まわりの動きは 2014 年くらいからチラチラは見ていた
  • ただし、本当にチラチラ見ていただけでそこまで深い知識がある訳ではない
    • ブロックチェーンのコードが書けるかと言ったら書けない
  • 実際に初めて購入したのは 2016/02 で、BTC を購入した
  • 現状の投資比率は以下の通り(ざっくりの値)
    • JPY 52%
    • BTC 27%
    • XRP 11%
    • LTC 7%
    • ETH 2%
何を書こうか迷ったのだが、以下の点に集約されるのではないかと思った。それぞれについて、少し詳しく書いてみようと思います。
  • うかれるな、お前は何も価値を生み出してはいない
  • 最終的には自分で判断しろ
  • 絶対安心な通貨なんてない

うかれるな、お前は何も価値を生み出してはいない

 どっかの某バカ芸人が「XRP! XRP!」とか叫んでるの見るとほんまにイライラしてくるんだけど、お前は何も価値生み出してねーんだよ、うかれるなって思う。仮想通貨って、株と違って「社会に何か価値を生み出した人がその利益の一部を投資(=価値を生み出す手助け)をしてくれた人に還元する」とかいう構図ではなくて(厳密に言うと XRP はそれに近いトコはあると思う)、先に手に入れてた人が後から来た人に高く売りつける事で価値が移動する、っていう事だと思っています。だから、含み益が出たところでそれはその人が何か社会に価値を生み出したっていう事ではなく、「知らなかった」、あるいは「買う勇気がなかった」人から取ってるだけ。別に完全に悪いとは言わないけど、パッパラパーみたいに浮かれるのはみっともないしなんかこいつ人間浅いなっていう感情しか浮かばない。

 なお完全に悪いと言わない理由は、仮想通貨に早めに価値を見出してそこに価値の保存をしようと思うのは自由だし、後からそういう人がたくさん出てきてその結果として価値が上がるのは市場の原理として普通だし、それを認められるのは嬉しいし、別にいいと思うから。けど、そこには「知らなかった人たちが相対的に損をしている」っていう構図があるし、一昔前に言われたデジタルディバイド的な意味での「仮想通貨ディバイド」が起きているだけだと思っていて、社会的にとてもいい構図かと言われたらそうでもないと思っている。要するに俺らは仮想通貨ディバイドに乗じた悪モンなんだよ、っていう意識はどっかに持って欲しい気がしている。

 また、仮想通貨が長期的に見て社会に対してよいものだとすると、早めにそれを取り入れて実験して広める努力をしているとも見る事もできるので、そういう意味も込めて完全に悪いとは思っていない。

最終的には自分で判断しろ

 どっかの某取引所のチャットとか見てると「〜って上がるんですか?」「〜って儲かりますか?」みたいな書き込みをたくさん見るんだけど、お前らそんなところで聞いた話を鵜呑みにする訳?!バカなんじゃないの?!死ぬの!?って思う。その場の繋がりだけで全く信用できない(ただ自分が儲かればいいと思ってるやつも当然たくさんいる)し、全く根も葉もない噂を書いてる可能性もある。「BTC って実はクラッカーに狙われてて、セキュリティをついて全データ壊せちゃうセキュリティホールが見つかったらしいよ」みたいな事を言われたらそれ信じるんですか?!っていう(これは例え話ですよ)。

 BTC はすごい!とか、XRP はすごい!とか、そんなもんその仮想通貨持ってる人がやんややんや騒いで盛り上げて売り抜けようとしてる可能性もあるんだから、自分で判断するしかねーんだよ、と思う。

 補足しておくと、一部の人はその通貨の可能性を信じている根っからの HODLER(HODL する人 = HOLD する人 = 基本的には売らない人)で、単純にその通貨が素晴らしいものだと思って発信している人もいる。そういう人含めて、「一見見分けは付かないから注意しろ」っていう事。

絶対安心な通貨なんてない

 結局のところ、絶対安心な通貨なんてないと思っている。BTC も危ないし XRP も危ないし JPY や USD だって危ないと思う。俺は通貨の価値は持続可能性にあるんじゃないかなと思っていて、それはどういう事かと言うと、

 持続可能性 = 依存度 × 代替可能性 × 利便性 × 運用安定性
  • 依存度 = 国家依存度 × 企業依存度 × 組織依存度 とか。国家や企業や組織がぶっ飛んだら通貨もぶっ飛ぶ可能性
  • 代替可能性 = 似た様な別の手段でも同じ様に価値を保存できる可能性
  • 利便性 = 速度 × セキュリティ × 可用性 × 維持効率 × 実生活での利便性など
  • 運用安定性 = 意思決定がきちんとできるかどうか、メンテナンスが行き届くかとか
 とかかなと思っている(ぱっと考えたので MECE じゃないかも、すいません)。例えば BTC は国家依存度や企業依存度はとても低いが、LTC に代替できるのでは?と言われたらそうかもしれないし、速度の面でスケール問題が出ているし、意思決定ができないために分裂問題も起きている。XRP は国家にはあまり依存しなさそうだけど企業には依存してるのでリップル社がぶっ飛んだらどうなるか分からない(XRP 最終的にやっぱ使いませーん!って言われたらどうなるの?っていうのもある)し、代替可能性も現時点ではあるっちゃある。

 日本円だって国家依存度ガチガチだし、少子化していく日本の事を考えたら、人口下がる・年寄りだけになる→生産力下がる・消費下がる・競争力下がる→日本終わり・JPY 終わりってなって価値激減とかもあり得ると思う。

 まぁこの辺は詳しい人はいろいろ意見があると思うけど、「絶対安心です」っていう通貨なんて結局ないでしょう?と思う。

 だからこそ、自分でどこにどれだけの持続可能性があるかを判断して分散して保存していくしかないと思う。言うて、仮想通貨ディバイドが起きる前提で考えると一点集中で未来に爆発するっていうシナリオに掛ける人もいるだろうし、したいならすればいいと思う。

終わり

 疲れた。ばばっと書いたからなんか色んな人に突っ込まれそうだし批判もされそうだけど、とりあえず今思っている事を吐き出せたのでスッキリした。おやすみなさい。